夢の注文住宅を建てることになった管理人が、調べたり聞いたりして集めた家情報をまとめた口コミサイト。

HEMS住宅とは

HEMS住宅とは

家庭内で使用するエネルギーを「見える化」できるHEMS住宅。使用エネルギーを可視化することにより、省エネ&快適な住まいを実現することができます。ここでは、HEMS住宅の特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。

 

HEMSとは

 

HEMS住宅とは、HEMSという管理システムが備わった住宅のことです。HEMSは「Energy Management Service(ホーム・ エネルギー・マネジメント・システム)」の略で、家庭内で使用する電気エネルギーをシステムにより管理したり制御することを意味しています。HEMS住宅の特徴を示すポイントは以下の2点です。

◇HEMSの2大ポイント

  • 「使用電力を見える化する」
  • 「家庭内の電気設備を最適制御する」

HEMS住宅には以上2つの機能的役割が与えられています。それぞれどんな意味があるのか説明します。

HEMSの特徴1:使用電力を「見える化」する

HEMSの管理システムを導入すると、家庭内で使用しているエネルギーの使用量や設備の稼働状況を、モニター画面を通じて数値で確認することができます。そしてこのエネルギーの「見える化」により、消費者が自らエネルギーの使用状況を把握し、数値や傾向を確認しながら節電節約のための目標と計画を立てることができます。

HEMSの特徴2:家庭内の電気設備を最適制御する

HEMS住宅はエネルギーを見える化するだけでなく、IoT(モノのインターネット)やAI技術との連携にも対応しています。すなわち家中の家電や電気設備をネットワークにつないで、各機器をコントロールしたり自動制御することも可能です。そして電気機器の一括管理と効率的な自動制御により、家庭内で使用するエネルギー使用量を最適化することができます。

HEMS住宅のメリット

 

HEMS住宅のメリットには以下のようなものがあります。

省エネ・節約のモチベーションが高まる

HEMS住宅では、家庭内の電力・ガス・水道などエネルギーの使用状況を「見える化」できます。各種エネルギーの使用量や使用傾向、ムダ遣いの程度などについて、数値で細かく把握することができるのです。結果、全くデータのない状況に比べて、省エネと節約のモチベーションが高まります。

エネルギーの自動制御と遠隔操作

HEMSはIoTやAIにも対応しているので、家庭内のさまざまな電気機器をインターネットにつなげて、エネルギーの自動制御や遠隔操作が可能です。電気機器のネットワーク化により、エネルギーの効率的な使用と省エネを実現できるほか、生活の利便性の向上を図ることもできます。

スマートフォンのアプリを活用すれば、家庭内のあらゆる機器を制御・管理できるようになるでしょう。

HEMS住宅のデメリット・注意点

 

HEMS住宅には以下のようなデメリット・注意点もあります。

初期費用がかかる

HEMS住宅は、エネルギーの一元管理や最適制御、省エネ、節約効果など様々なメリットがありますが、それを実現するための導入コストがかかります。HEMS本体はもちろん、HEMS対応分電盤やHEMS対応機器、電力測定装置、情報収集装置、モニターなど、初期の段階では一定の設備投資が必要です。

国がバックアップしているシステムですから、補助金を受けることはできますが、それを差し引いてもある程度の初期コストがかかることを覚悟しなければなりません。

認知度が低い

HEMS住宅はメリットの多いエネルギー管理システムですが、残念ながら現時点では、太陽光発電やエネファーム、電気自動車のように広く知られてはおらず、国民的な知名度は高くありません。

認知度が低いことは、導入を検討するユーザーが少ないだけでなく、サービス提供者の数も相対的に少ないことを意味しており、市場が活性化していないため、価格競争も起きづらい状況にあります。

結果、機能的なメリットが多くても、依然としてコストの問題が立ちはだかり、ユーザーにとっては導入しにくい状況が続くことになります。

現在でも鋭意行われてはいますが、今以上に官民挙げてのマーケティングや広報活動・啓蒙活動が必要になるでしょう。

HEMS未対応の製品が多い

HEMSを導入し運用するためには、HEMSの通信規格「ECHONET Light」に対応している電化製品を用意しなければなりません。

ですが、現在普及している製品の多くはECHONET Lightに非対応であり、自動制御したくても技術的にできない状況にあります。このこともHEMSの導入が進まない要因の一つです。

今後発売される製品はHEMS対応が増えていくと予想されますので、爆発的な普及が始まるのはそれからということになります。

HEMS住宅の導入が向いているのはこんな人たち

 

HEMS住宅は、家庭内で使用する様々なエネルギーを「見える化」し、IoTやAIなど通信技術や情報技術と連携しながら、あらゆる電気機器の一元管理と自動制御、それによるエネルギーの効率的な使用と省エネを実現する画期的なシステムです。

上述のメリット・デメリットを踏まえたうえで、HEMS住宅の導入が向いているのは次のような人たちです。

  • 家庭内のエネルギー使用状況を自分で把握したい
  • 省エネ・節約を適切に行いたい
  • 電気機器を自動制御して効率よく使用したい
  • 電気機器のネットワーク化で生活利便性を高めたい

導入に際してネックになるのは、初期費用の問題とHEMS未対応製品が多いことです。ユーザー側の予算とニーズ、それに対応できるHEMSメーカーの選定も重要なポイントになります。現時点では課題の多いシステムですから、実際に導入するときはしっかりとした計画と情報収集を行うための、十分な準備期間を設けるようにしましょう。